「不妊」と聞くと女性側の問題と思われがちですが、実際には不妊の原因は男性側にも約半数あるとされています。それにもかかわらず、男性が検査や治療を受けるハードルは、まだまだ高いのが現状です。
この記事では、男性不妊の原因・検査・治療の流れと、どこで受けられるのか、対応クリニックの選び方をわかりやすく整理します。
WHO(世界保健機関)の調査では、不妊原因のうち男性のみが原因のケースが約24%、男女ともに原因があるケースが約24%とされ、合わせると約半数に男性側の要因が関わると報告されています。「まず奥さんが検査」ではなく、夫婦そろって検査するのが近道です。
男性不妊とは?主な原因
男性不妊は、精子が十分につくられない、うまく運べない、射精できないなど、さまざまな要因で起こります。主な原因は次のように分類されます。
| 分類 | 主な内容 |
|---|---|
| 造精機能障害 | 精子をつくる機能の問題。男性不妊の大半を占める。精索静脈瘤などが原因のことも。 |
| 精路通過障害 | 精子の通り道が詰まっている状態。精子はつくられているが射精精液に出てこない。 |
| 性機能障害 | 勃起障害(ED)や射精障害など、性行為・射精がうまくいかない。 |
中でも精索静脈瘤は、状態によっては手術が検討される代表的な原因のひとつです。原因がはっきりしないケースもありますが、まずは検査で現状を知ることが第一歩になります。
まずは精液検査から
男性不妊の検査は、精液検査から始まるのが一般的です。採取した精液から、精子の数・運動率・形などを調べます。負担が少なく、男性側の状態を知る基本の検査です。
- 精液量:1回の射精で出る精液の量
- 精子濃度:1mLあたりの精子数
- 運動率:前に進む精子の割合
- 正常形態率:形が正常な精子の割合
男性不妊の治療法
原因や程度によって、治療法はさまざまです。代表的なものを紹介します。
① 一般不妊治療(タイミング法・人工授精)
精子の状態が比較的良い場合は、排卵に合わせるタイミング法や、洗浄・濃縮した精子を子宮に注入する人工授精(AIH)が選択されます。
② 生殖補助医療(体外受精・顕微授精)
精子の数や運動率が低い場合などは、顕微授精(ICSI)が用いられます。1つの精子を直接卵子に注入する方法で、ごく少数の精子でも受精を目指せます。
③ 手術による治療
精索静脈瘤に対する手術や、精子の通り道の問題・無精子症に対して精巣から直接精子を採取するTESE(精巣内精子採取術)などがあります。
どこで受けられる?診療科の違い
男性不妊の検査・治療を受けられる場所はいくつかあります。それぞれ得意分野が異なります。
| 受診先 | 特徴 |
|---|---|
| 不妊治療クリニック(婦人科系) | 精液検査や人工授精・体外受精・顕微授精に対応。夫婦そろって通いやすい。 |
| 泌尿器科・男性不妊外来 | 精索静脈瘤の手術やTESEなど、男性側の専門的な検査・治療に強い。 |
| 連携している施設 | 女性側のクリニックと泌尿器科が連携し、夫婦まとめて診てもらえる体制。 |
多くの場合、まずは夫婦が通う不妊治療クリニックで精液検査を受け、必要に応じて男性不妊を専門とする泌尿器科に紹介・連携してもらう流れになります。
【体験談】夫婦で検査を受けて顕微授精に進んだ話
その後、体外受精に進みましたが、私自身の採卵で得られた卵子の数が少なかったこと、夫の精子の状態も芳しくなかったことから、最終的に顕微授精を選択しました。
夫は比較的協力的で、クリニックで指摘を受けた際に先生に紹介状を書いてもらい、総合病院の泌尿器科で男性の生殖医療を担当する先生にしっかり診てもらいました。精子の数や運動率は低いものの大きな問題はなく、念のため漢方薬を処方してもらいました。
無精子症のような著しい異常がなかった私たちにとって、顕微授精はとても有効な手段でした。
状況は人それぞれ大きく異なります。気になる場合は、まずご自身が通うクリニックの先生に相談し、必要に応じて専門の先生(泌尿器科の生殖医療担当など)に診てもらうことも検討してみてはいかがでしょうか。
クリニックの選び方
男性不妊にしっかり対応してもらうために、クリニック選びでは次の点をチェックしましょう。
- 男性不妊外来・泌尿器科との連携があるか
- 顕微授精(ICSI)に対応しているか
- 精液検査の体制(採精室の有無・自宅採取の可否)
- 夫婦で通いやすい立地・診療時間か(土日・夜間診療など)
- 費用や治療方針の説明が丁寧か
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不妊治療は「二人で取り組むもの」。男性側の検査は負担が少なく、早く受けるほど選択肢が広がります。気になる場合は、パートナーと一緒に一度検査を受けてみることをおすすめします。
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